─ 第五章 あらすじ ─
ヴォルカニアの避難所で献身的に動くラナンとサツキがいた。 ラナンの記憶は災厄の時のまま。そこへ現れる救いの鍵の少年とジルバ。 ジルバは早くラナンの記憶を戻して戦えと望むが、サツキと救いの鍵の少年は 強要はできない、と拒む。そのやり取りを陰で聞いていたラナンは神殿から飛び出す。
悩み彷徨ううちに着いたヴォルカニアの神殿で、屠竜の右死虹と出会うラナン。 右死虹はヴォルカニアの火山が噴火するよう細工し、記憶を取り戻せとラナンを挑発した。 駆けつけたサツキは、追い詰められられた状況で答えを出すべきではない!と右死虹と刃を交える。 傷つき倒れるサツキの姿に、決心し記憶を取り戻すラナン。
「いつも守られてばっかりだったけど、今度は、私が守る番だから!」
記憶と魔力を取り戻したことで、ヴォルカニアが噴火の溶岩に沈むことが決定した。 そうなるよう仕掛けた右死虹に憎しみをたぎらせ、業火を呼ぶラナン。 「ゆるせ、ない……! ……して……やる!殺してやる……!」 だが、同じくして魔導書から舞った小さな火の玉にヴォルクレスの声を聞く。 「今まで旅してきたお前なら、その恐ろしき火の魔力を制せるはず……。」 その声でラナンは、ヴォルカニアの火山を沈め、右死虹を退けることに成功する。
一方、悪魔姉妹はそれぞれ所定の場所にアンカーを置くところであったが、問題が起きていた。 既に設置した悪魔や学園乙女が石化していたのである。 丁度、違和感に気付いた悪魔と学園乙女の前に、あの者たちが姿を現した。 「あれれ~? 悪運の強い奴らですね~!」 「勘の鋭い者もいたのか、全員ではなかったようだがな。」
救いの鍵の少年はジルバと共にかつてのジルバの研究所にいた。 ジルバは流体魔力を蓄えながら、娘たちの無事なるアンカー設置を思う。 また研究所の大きな鏡の話をされている途中で少しまどろんでしまう救いの鍵の少年。 だがすぐに目は覚めた。同時に、準備の整ったジルバと共にエントレアを目指す。
「ああ、ようやく叶えられそうだな。私の望みが。」
─ 第四章 あらすじ ─
ウィンドリアに飛ばされたエリオは、そこで始祖のエンジェルと話をする。 始祖のエンジェルは協力を求めるが、魔法がないから、と戸惑うエリオに魔法で戦うばかりが道ではないと諭す。 必要なのは信頼できる道しるべです、と。 その言葉に、始祖のエンジェルを信じるエリオは目指すべき場所へ向かう。
一方、エントレア・身投げの谷では左死虹がエンジェルを待ち構えていた。
谷底を行くカトレア・ルチカ・アンゼリカを落石が襲う。 対応しようとしたカトレアだったが、急な違和感に襲われて膝をつく。 そこは辛くもルチカが落石を吹き飛ばし事なきを得たが、カトレアは、己の身に起きている、先延ばしにできない事を思うのだった。
少し前、カトレアが始祖のエンジェルと話をした時の事。 いずれ水に還ることは覚悟しています。ただ、この体は残したいとするカトレアに、創世のエンジェルは「邪道ですが」と道を開いた。代償は大きい、とも加えつつ。 すなわち体に眠る少女、元のカトレアを残したいなら方法は一つ。 貴方と少女との縁を完全に断ち切ればいいのです。ただ……、
「ジルバラードのあらゆる存在の記憶から、カトレア、貴方は消えてしまうでしょう。」
水の欠片を屠るべく、身投げの谷を破壊しつくす屠竜の五典・左死虹。 谷の崩落の下敷きになってしまったカトレアは、倒れた暗闇の中で、必死に自分の名前を呼ぶアマモの声に気付く。 そう、これからも、カトレアには、彼女が想い、彼女を思う友人たちがいてくれる。 あなたはここにいてもいい、と言ってくれる誰かが必ずいるはずです、と。
土砂の中から再び立ち上がるカトレア。 今まで私は、水に還り、皆に忘れ去られることを決心できずにいました。ですが、
「もう、憂いは微塵もありません。全身全霊をもって、使命を果たします!」
カトレア、左死虹、悲劇の幕が引かれるのはどちらか。
─ 第三章 あらすじ ─
セイレニウムに飛ばされたダチュラとチコ。 ダチュラはアンカーを置きにエントレアに向かうという。 エリオへの黒い魔力の影響を心配をし、 迷うチコに、ダチュラは教える。
「白い魔力と黒い魔力は表と裏。異質なものではないわ。」 あなたもちゃんと向き合えれば、 もう一人前のエンジェルになれる。
心のモヤモヤが晴れたチコは、学園で待つ選択肢はせず ダチュラとエントレアへ向かう。
一方、イシュタリア・光の神殿では シャンルーとプルメリアが 魔導書教団による暴動の負傷者の看護をしていた。 そこに転移してきたジルバと救いの鍵の少年。
ジルバはプルメリアに戦うことを求めるが、 戦わない戦い方もあるという答えに、 ただ逃げているだけのように見えると言い放つ。 ショックで走り去るプルメリアにマスターは、 君の決断を尊重する、と言い残し、 ジルバと共に次の場所に消えた。
イシュタリアの市街地で起きていた 魔導書教団による暴動は激しさを増し、 ピオニーをはじめ、神殿の騎士やシャンルーまでもが 当たるほどに切迫する。 一度は、戦わない戦いを選択したプルメリアであったが、 ずっと自身の身の置き場に悩んでいた。 しかし、つい落として割ってしまった花瓶にあった 自身に与えられた、許しのカミツレの花に再起を決意する。
「誰かが傷つかなければならないのならば、 それは、わたくしであるべきです!」
イシュタリアの魔導書教団を抑えた後、スフレを助けるべく エントレア・嘆きの森に飛んだプルメリア。 だが待ち構えていた屠竜の五典・瘴死気に捕らわれてしまった。
「私たちが導く先にある光こそが、真なる光!」
深き闇の中で、お互いの火花を散らしあう。
─ 第二章 あらすじ ─
破片となり降り注いだ空間の裂け目によって、 バラバラにはぐれてしまう 乙女たち、悪魔姉妹とジルバ。
そんな中、魔導書教団は残された乙女と悪魔姉妹と対峙するが、 マリコの命により、唯一なる者の元に向かうといい消えた。
空間の裂け目に呑み込まれず、 その場に残された悪魔姉妹と学園乙女は、 立て直すべく一旦、学園に戻ることにした。
ディオール学園・天空校舎に避難をしていた先生たちに状況を説明する。
ジルバは協力者であり、メタディメンジョンにより、
唯一なる者を一旦無力化できたこと。
完全に倒す手立ては、悪魔姉妹が持つアンカーを3か所に設置すること。
「その三つの魔導具で無の境界への扉を開き、唯一なる者を滅ぼすのね」
今後の対策とアンカーの詳しい説明をしている中、スフレとカトレアが目覚めた。
二人は夢の中で「始祖のエンジェル」に魔力を貸してもらったと言うのだった。
「この前は、失敗しちゃったけど……今度こそ!」
作戦を開始しようとした時、突如学園内に時空の裂け目が現れ、
救いの鍵の少年とジルバが現れる。
「みんな無事でよかった。 僕たちはジルバの研究所へ向かう。」
一方、屠竜の五典は唯一なる者の復活を邪魔させないため、 アンカーの置き場所の一つである、エントレアの「嘆きの森」で 乙女たちを待ち構えるのであった。
「彼女たちに教えてあげましょう。私たちの手で。」
─ 第一章 あらすじ ─
「復活して早々で悪いが、ご退場願おうか。」
ジルバラードを滅ぼしかねない存在、唯一なる者を前に
魔界より現れたジルバがメタディメンションという魔導具で
唯一なる者を別の空間に消し去った。
ついで魔導書教団も消し去ろうとしたところ、教団の幹部の妨害によって
空間の裂け目は跳ね返される。
その影響で空間の裂け目は破片となり、
救いの鍵の少年やジルバたちをどこかわからぬ森に転移させた。
転移した先の森で、ルクリアに守られているロザリーと遭遇する一行。
魔力を失い、眠っていたロザリーは、夢の中で
始祖のエンジェルと呼ばれる者に会ったという。
「より険しく過酷な戦いになりますが、まだ彼らと戦う意思はありますか?」
「もちろんよ!」
その答えにより、唯一なる者を倒すための力「創世の魔力」を受け継いだのだった。
そして目覚めたロザリーは、救いの鍵の少年たちと共に、 唯一なる者を倒すべく、手がかりとなる場所に手分けして向かった。
一方、魔導書教団は繭と化した唯一なる者と共に転移していた。 神の意思は失われたと嘆くマリコだったが、新たな予言が道を開く。
「精霊竜の魔力を注ぎ込み私が一つになれば、唯一なる者は完全体になる」
マリコは復活の儀式を邪魔させないため、各地に五典を送り出すのであった。
魔導書教団の指導者マリコが語る災厄の真実と、彼女が携える聖杯の前に、
次々と乙女の魔力が奪われていった。
魔導書教団の目的は、生に迷える人々を死の先にある光の世界に導くこと。
救いの鍵の少年と悪魔姉妹が不在の中、魔法省と学園乙女が奮闘するも一歩及ばず、
魔導書教団が望む「唯一なる者」が復活してしまう。
山を一声で消し飛ばすその黒き姿の前に、一度は魔導書教団に寄り添った民衆たちも、
死にたくないと恐れ慄き、逃げ惑う。
唯一なる者の口から、再び稲妻が轟かんとした時、
空に光の扉が開き、彼らが姿を現した。
救いの鍵の少年と悪魔姉妹。そしてジルバ。
「悪いがご退場願おうか。メタディメンション!」
ジルバは契約を遂行すると言い、
手にした魔導具で唯一なる者をどこかへ消し去った。
魔道書教団たちも消し去ろうと、空間の裂け目を作ったとき、
空より飛来する、複数の新たな影を見た。