ロロイが手配した音楽学校の練習室。5人の乙女たちはそれぞれ担当の楽器を決め、練習していた。
スフレ
「スーこの楽器に決めた! スーよりおっきい! 持てるかなー?」
ロザリー
「ここを叩けばいいの? えいやっ!」
「……うっ、耳が……」
ロザリー
「ち、違うわ! 強度を試しただけよ……! は、激しい演奏にも耐えられるかなって!」
プルメリア
「これは優しくそっと息を吹き込むのね……。……とても素敵な音色ですわね」
カトレア
「~♪ ……身体中に響く……いい音……」
ラナン
「ピーーーーー、ピッ! ってなんで私だけ楽器じゃないの!?」
ロザリー
「ラナンは……ほら、察しなさいよ!」
ラナン
「え~! 私もみんなと同じ楽器が良かったなぁ~」
スフレ
「ラナンおねえちゃん、笛とその杖みたいなの、似合っててかっこいいよ!」
「スーは好きだなぁ!」
ラナン
「スフレ……。う~ん、ぎゅーってしちゃうんだからぁ~!」
スフレ
「ラ、ラナンおねえちゃん……、く、苦しいよう……」
ラナン
「あ、ごめん! 可愛くてつい……」
スフレ
「……?」
「ラナンおねえちゃん、カトレアおねえちゃんが何とも言えない顔でこっち見てるよ?」
ロロイ
「……練習は、順調なようですな」
「デビューの舞台もちゃんと手配しておきましたぞ」
プルメリア
「い、今から、き、緊張してきますわね」
スフレ
「スー、上手く吹けるようになるかなー」
ロザリー
「ラナン、あんたがしっかりみんなを指揮するのよ」
ラナン
「うん、任せてよ!」
プルメリア
「……。何か……、とても嫌な予感が致しますが、今はラナンさんを信じましょう!」
ロロイ
「乙女の奇跡の瞬間を楽しみにしてますぞ!」
ロザリー
「前評判もなかなか良いみたいじゃない。ま、最初は腑に落ちなかったけど?」
「やるからには楽しまないとね」
スフレ
「うふふ。ロザリーおねえちゃん、一番練習頑張ってるんだよっ」
ロザリー
「スフ……、バ、バカッ!」
ジルバラードでは初のアイドルグループ誕生の話題が、広く拡散していくのだった。