そこへやってきた一人の使い魔……。
???
「ちょっと、あなたたち、【アイドル】っていうものを勘違いしすぎ!」
ロロイ
「ホロロロロロ~? どなたかな?」
ヨーコ
「ええ!? 忘れちゃったんですかぁ?」
「私は、イシュタリアのアイドル! あなたの心にも私の光を! ヨーコです!(びしっ)」
ヨーコ
「では聞いてください。新曲『あなたの使い魔になりたい』」
「~♪」
ロザリー
「突然歌い出したわ……」
「ま、まぁ、悪くないけど……」
ラナン、スフレ、カトレア
「かぁわいい~!」
ロザリー
「はいはい。静かに~」
「ね、ねぇ、何事?」
プルメリア
「あ、あの~、ヨーコさん……? 私たちが”勘違いしている”とは、どのようなことなのでしょうか?」
ヨーコ
「あっ、そうだった!」
「ズバリ言わせてもらうけど、あなたたちがやってるのは【鼓笛隊】よ!」
「全然【アイドル】じゃないわ!」
スフレ
「……? あいどると、こてきたいの違い、スーにはわからないよ」
ラナン
「もっと詳しく教えてくれると嬉しいな!」
ヨーコ
「んもう~、しょうがないわね!」
ヨーコ
「アイドルっていうのはね、歌って踊って、観てる人を、聞いてる人の気持ちを、元気にしたり幸せにしたりするものなの」
ヨーコ
ラナン、カトレア、スフレ、ロザリー、プルメリア
「……!」
カトレア
「……とても……ガッカリした気分……です……」
ロザリー
「はぁ……。そんなことだと思ったわ……。この企画、中止ね、ちゅ・う・し……」
ロロイ
「ホロロロ。それは無理ですぞ」
「場所を押さえるのに幾らかかったと……、いや既に前売りチケットは完売ですので」
プルメリア
「御事情は察しますが、さすがに私どもも間違ったものを皆様にお披露目するわけには……」
ロザリー
「プルメリアの言う通りよ。さっさと払い戻しの手続きを始めることね」
スフレ
「えー、スー、一生懸命練習したのにぃー」
カトレア
「…甚だ…残念ではありますが……」
ラナン
「ごめんなさい。ロロイ」
ロロイ
「ホロロロロ……」
ヨーコ
「……。そんな簡単にあきらめちゃうの?」
ロロイ
「本当ですか! それはとんでもない朗報ですぞ!」
ヨーコ
「イベントに間に合わせて、ちゃんと【アイドル】としてデビューするの」
ヨーコ
「私が今から、デビューまでに、みっちりあなたたちに【アイドル】としての歌と踊りを叩きこんであげる」
ヨーコ
「ただし、並大抵の精神力ではついてこれないわ」
「でも、あなたたちはこの世界を守る乙女。だから出来る」
「そう思って提案してるんだけど」
ロロイ
「それは是非ともやらs……」
ロザリー
「待って! ウサギは黙んなさい!」
「みんなの意見を聞くわ」
プルメリア
「そうですわね……。せっかく私たちを待っている大勢の皆さんがいらっしゃいますし……」
ラナン
「体力には自信あるわよ!」
スフレ
「痛いのじゃなかったら、スーがんばる!」
カトレア
「あの……衣装……、着られる……な……ら……」
ロザリー
「……はぁ。どうやら決まりみたいね……。ヨーコ、信じていいのね?」
ヨーコ
「もちろんよ! イシュタリアNo.1アイドルが保証するわ!」
ヨーコ
「衣装はそのままで行くわ!時間もないし!」
ヨーコ
「厳しい特訓になるけど、ついてきてね! 乙女のみなさん♪」
ロロイ
「良かった! 良かったですぞ! ホロロロロ……!」
乙女たちは無事デビューすることが出来るのか!?